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被災し不幸のどん底の中でのフィットネスとの出会い。「自宅は大規模半壊し、医師に人工関節になると言われました」

橋本智選手(撮影:中島康介)今やビキニフィットネス界でその名を轟かす橋本智選手に、競技を始めた理由や現在の取り組みについて聞いた。トレーニングを始めるきっかけとなったのは、あの大災害が関係していた。

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トレーニングを始めたきっかけとは。

「2016年熊本大地震で私は不幸のどん底にいました。震源地の隣の西原村に住んでいたため、自宅は大規模半壊。長期の車中泊と瓦礫の撤去で両膝に水が溜まり歩けなくなりました。2年間治療を続けましたが一向に良くならず、味わった事のない絶望感と恐怖、被災してしまったという罪悪感で自分らしさを失いつつありました。医師に筋トレをしないと人工関節になると言われ、ゴールドジム熊本イーストでトレーニングを始めました」

トレーニングを始めてからは心境に変化が出てきたという。

「被災してから、『私なんかにどうせできない』などと色々な言い訳を考えて挑戦出来なくなっていました。トレーニングを始めて両膝も良くなり、2年間ずっと真っ暗闇でしたが抜け出す事が出来ました。心と体が健康であれば何度でも立ち上がり前進できると感じ、現状や結果、できない事に絶望するのではなく、どうすればできるようになるのか、未来へ繋げる事が出来るのかについて考えるようになりました」

トレーニングを続ける中でビキニ競技を選んだ理由とは。

「トレーニングを必死に頑張っていると、他団体の選手の方に大会を勧められたんです。自分のなりたい理想の身体のカテゴリーを選んだ方がいいとアドバイスを受けたため、『キラキラしたロシア型のビキニを着たい!足は長く細く見せたいので絶対にヒールは履きたい!』と思いJBBFビキニフィットネス選手を目指しました」

橋本選手がトレーニングをする上でのこだわりとは。

「首は細く長く、腕は太くならないようにするためにダンベルやバーを握り込まない事にこだわっています。また、なるべくギア類を使用し、ひっかけるという意識をもっています。呼吸を意識し、低重量、高レップ、高セット数、高可動域で行い、途中で食いしばったり腕や僧帽筋に力が入りだしたらもう一度丁寧にフォームを作り直すことは意識して行っています」

ビキニフィットネスという競技に合わせたトレーニングで勝てる身体づくりをしている橋本選手。今後の目標は?

「今年は、国際大会出場が目標です。昨年は世界選手権大会に派遣して頂き、素晴らしい経験が出来ました。世界の選手の素晴らしい身体を見る事ができて、ビキニフィットネスのイメージがクリアになりました。世界で見てもらえる選手を目指しています。また今後は、怪我なくトレーニングを続けて自分らしく輝き続けたいです」

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取材:FITNESSLOVE編集部 撮影:中島康介

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